「沈金(ちんきん)」とは、加飾の技法の一つです。
沈金とは、加飾(塗りの上に絵を描く)をするための技法の一つです。
ノミ(刀)で塗面に模様を彫り、彫ったあとに出来た凹部に漆をすり込み、そこへ金・銀の箔や粉、あるいは、色の粉を埋め(沈めて)模様を描きます。
凹部にすり込んだ漆は金・銀の箔や色粉を固定する接着材の役割をします。
輪郭線などの線を彫って模様を描いたり、あるいは細かな点を彫ること(点彫り/てんぼり)で描きます。輪島塗は、この沈金の技法でも有名です。
基本的には”塗面を彫って金を沈める”ということになりますが、そのほかの方法 ★を加えることもあります。
※ 左の写真は、塗りが仕上がった状態の何も手を加えていない無地の塗面に下絵を写しているところです。 | |
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ノミで塗面に溝を彫ります。 | |
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彫った溝に漆を摺り込みます。 | |
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漆を摺り込んだところへ金・銀などの箔や粉を埋めます。 | |
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乾いた後、余分な箔や粉を拭き落として仕上がりです。 |
★沈金で加飾されたものの中には、塗面を彫って金や色粉を沈ませる技法だけでなく、直接塗面に金箔を貼ったり、金粉や色粉を直接塗面にすり込ませるように載せるなど、技法の幅を広げたり発展させることで表現効果を多彩に展開しているものもあります。