林源太・内山貴義 第15回 霜月うるし展

林源太さんの展覧会は、私にとっては2年ほど前の桜の庄兵衛ギャラリー以来2度目です。

今回は、大阪北区の現代クラフトギャラリーで、内山貴義さんとの二人展です。10月31日(日)~11月6日(土)まで開催でした。

■ 益々洗練されて、・・・そして温かみと味わいのある塗り艶や質感にうっとり・・・です。

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上の写真のお抹茶茶碗は布が芯になっている”乾漆”ですが、同じような質感のかわいいお猪口もたくさんありました。

普通よく見かける塗り立てや呂色仕上げのような、表面がなめらかな漆器も制作されています。

写真を撮りわすれたのが、mm~残念!!

表面がなめらかな、塗り艶の美しい、写真を飾る額縁風の写真ケースや、ふるさとの温かな親しみを感じさせるようなお弁当箱やかわいい御重など、2年前とは印象が随分と異なり、やはり作家さんの作品は進化し続けるので、こまめに見ておかなくてはと思いました。

そして、欲しものはそのとき購入しなければ、あとから言っても「あれはもうありません」ということになるのだとの気付きも・・・・。

塗面の独特の艶が印象的です。なんと形容したらいいのでしょうか、とてもきれいで美しいです。

漆の入手先によって、漆の性質が手応えでわかるそうで、ご自分の好みで漆をブレンドされるそうです。
漆と会話しながら制作されているのですね。

そして、作品によっては木地作りからされていることにはびっくりしました。

お話をお伺いしていると、創作への思いいや創作の醍醐味を感じ、芸術や工芸への憧れがつのります。

■ ご一緒に展覧会をされていた内山貴義さんは、紙を使った漆器にこだわリ制作されているそうです。

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内山さんの作品も、品格のある、とても美しい漆器でした。
上の写真は、案内状をデジカメで撮影して掲載させていただいているので、実物の魅力を充分お伝えできなくて申し訳ないです。m(_ _)m
実物はもっと深みのある艶でとても美しいんですよ~。

お茶席のお干菓子の菓子器などにいいような感じでしたが、表面がなめらかなので、お干菓子が滑って中央に寄ってしまうでしょうか。
普段に、この器に主菓子を盛って、”お茶”したら、思いっきり贅沢な時間になりますね。

■ 現代クラフトギャラリーさんからは、「漆器を洗うときに使うといいですよ」と手編み(アクリル糸)の↓を頂きました。

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使うのがもったいない感じですが、一度試してみます。

林源太さんとお話しするのは初めてでしたが、気さくにいろいろ説明してくださり、源太さんのホームページへのリンクもご快諾いただき、本当に有り難かったです。
源太さんのホームページへのリンクは、本ブログの右サイドの「お友達のHP」の覧にも加えました。
林源太さん、内山貴義さん、現代クラフトギャラリーさん、本当にありがとうございました。
皆様のご活躍と発展をこころよりお祈りいたします。

茨城産漆の漆器ブランド「八溝塗(やみぞぬり)」

「茨城県で漆が生産されていたんだぁ~!」
10月18日付けの日経新聞の社会面に、

漆器ブランド 「純茨城産」全国に発信

の記事。

日本の漆の生産は、東北地方で、主に国の文化財補修の際に使う為に漆が生産されているのでは・・・と曖昧にしか認識していなかったので(勝手にそう思っていましたので)、まさに目から鱗です。

(ここで、勉強不足を反省 m(_ _)m)

しかも、漆器を知らない世代が増えたこの時代に、なんとも心強いお話です。

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▼ 日経新聞での掲載でしたよということがわかるように写真を撮ってみました。
記事を切り抜いた後なので、つなぎ合わせていますが・・・・。

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茨城に工房を持つ漆工芸作家の辻徹氏が、茨城産の漆で「八溝塗」ブランド(やみぞぬりブランド)を作り、アンテナショップとして「八溝塗工房 器而庵(きじあん)」を開かれたとのことです。

早速、辻徹氏を検索 → 「WARE WOOD WORK 辻徹」のウェブサイトへ行ってきました。

辻徹氏の漆器製作へのスタンツを知る「辻徹のものづくり」や「大子漆」についての説明など、とても勉強になりました。

サイトの右サイドにあった「WARE WOOD WORK BLOG」のバナーから、ブログへも行ってきました。

▼ 「WARE WOOD WORK BLOG」のバナー
「WARE WOOD WORK BLOG」のバナー

漆を中心に、興味深い記事が目色押し。中でも漆の「紫外線対策」には、なるほど・・そういう風にするんだぁ・・と。

ちなみに、日本で消費される漆はほとんどが外国産。
漆の輸入依存度は99%とも言われています。(※注)
そして、そのほとんどが中国からの輸入に頼っています。(※注)

Japanが「漆」を意味することを思うと、なんだか寂しい話です。
そんな状況の中で、茨城産の漆で「八溝塗」ブランドを作られた辻徹氏のお話に元気をいただきました。
ありがとうございます。

(※注) の箇所は 山本勝巳著『漆百科』(丸善株式会社)31頁を参照しています。

輪島塗漆器は、海外(外国)で使えるかしら・・・

輪島塗を販売していて、以前、海外(外国)で使えるかどうか尋ねられたことがあります。

その際、一番気になることはいつも、使用される場所(国)の気候が”乾燥”しているかどうかです。

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従来、輪島塗は「堅牢で優美」と言われるように、確かに堅固で丈夫にできています。
漆は、基本的にはアルカリや酸にも強いです。
でも一番の弱みは、乾燥と紫外線。
直射日光の当たらない屋内で漆器を使うなど、漆器への”紫外線対策”は、使用方法で防げますので、
海外での使用で一番の悩みが”乾燥”ということになります。
乾燥地帯や砂漠地帯での使用は、まず NG となるでしょう。
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■ 「湿度何%なら使用可能なのか」というと答えがありません。
あえて言うなら、「日本と同じような気候、(日本と同じ位湿気のあるところ)でなら大丈夫なのでは」というのが無難な答えになります。
(もちろん、日本であっても、何年も使わずに天井に近い、乾燥した棚などにしまっていると、ヒビが入ることは充分あります・・・。あまり大事にしまい込まないで、使っている方が漆器は長持ちします。)
以前、海外で輪島塗を使えますかとお客様から質問を受けたときに、石川県工業試験場へ「輪島塗は、湿度何%くらいまで使えますか?」というような質問をしたことがあります。
答えは、「”輪島塗”と一言に言っても、手作り故に、できあっがった”輪島塗”もいろいろなので、(”これが標準の輪島塗”というものがないので)、”輪島塗”とひとくくりにしては、実験してデータを出せない」というような説明を受けました。
考えてみればその通りですね。どのような塗りの工程を経てできたかは、作られる工房や作り手によって異なり、工場で均一に生産されるものとは違って、厳密に言えば工房ごとや作り手ごとに強度=堅牢さが異なるということになりますね・・・。

■ 「輪島塗はヨーロッパでは持ちますか?」と尋ねられても、情けないことですが、やはり何とも答えられません。
「海外駐在に漆器を持って行ったら、バリバリになってしまった。海外には漆器を持ち出さない方がいい。」といった話を何度か聞いたことがあります。
漆器を持ち出した先の”海外”の気候によって漆器がバリバリになったのか、あるいは海外へ持ち出した漆器が多少の乾燥にも耐えられないものであったのか、どのように使われていたのかなど、やはりケースバイケースで考えざるを得ません。
大切にしている漆器の場合、やはり、海外に持ち出されないのが無難なのではないでしょうか。

■一方、大変興味深いことは、桃山時代以降に日本からヨーロッパへ渡った漆器で、今も、結構きれいな状態で存在しているものがあるという事実です。
2008年10月18日~12月7日に京都国立博物館で『japan 蒔絵』展が開催されていましたが、そこで目にした漆器、蒔絵が随分きれいだったこと!

▼ 『japan 蒔絵』展の図録の表紙

『japan 蒔絵』展 図録の表紙

もちろん、それらの漆器のうち、今では湿度などを調節して大切に保管されているものもあるのでしょう。

また、展示品の中には、修復後の蒔絵の漆器が、修復前の写真と一緒に展示されているものもあり、「やはりボロボロになるのもあるんだなぁ」と思わせるものもありました。

が、展示全体では、やはり、「持つものは持つのだなぁ」と感心した次第です。

特にイギリスのバーリーハウスコレクションの蒔絵漆器は、江戸時代中期の輸出漆器とされていますが、「こんなにもきれいに保存され得るものなのか」と驚くばかり・・・・。蒔絵の美しさ以上に、保存状態に驚いてしまいました。

▼ バーリーハウスコレクションの載っている図録のページ

『japan 蒔絵』展 図録のページ:バーリーハウスコレクションの箇所

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ということで、結局「海外での輪島塗漆器の使用」については結論がでないままですが m(_ _)m 、

上述の 『japan 蒔絵』展で見る限り、時代を超えて、蒔絵のついた漆器ががヨーロッパの人の目にたいそう魅力的であったことは否めません。

そして、すぐに”バリバリ”にならずに、机や壁に使われて、愛用されていた蒔絵の漆器があったのも事実のようです。

桃山時代以降の日本からの輸出漆器は、日本にある漆器(香道具など)がそのまま輸出されたケースもありますが、買い手であるヨーロッパの人のための特別注文も多かったようです。

もちろん、日本の蒔絵や漆器を手にできたのは王侯・貴族といった限られた人々だったのでしょうが・・・。

↓輪島塗の取り扱い注意は↓

輪島漆器の取り扱い詳細
輪島漆器の取り扱い詳細(ヤフー店)


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輪島塗漆器の取り扱い注意事項

輪島塗は従来「堅牢かつ優美」と言われてきた通り、堅固で丈夫な漆器です。
漆も、基本的には酸にもアルカリにも強いです。
・・・でも、やっぱり、優しく使ってあげてくださいね。

《輪島塗の取り扱い注意》

太陽・紫外線は×屋外に長時間さらしたり、直射日光の射しこむ陽あたりのいい場所に放置するのは避けて下さい。
食器洗浄機や食器乾燥機は×熱いお湯を使う食洗機や、熱風の出る食器乾燥機は避けてください。
電子レンジは×漆の塗膜自体は電子レンジでも大丈夫。けれども、器自体は木材なので、煮えてしまいます。ですので、電磁波を通すのは避けて下さい。
磨き粉・タワシは×クレンザーなどの研磨剤で漆器を磨いたり、タワシを使って洗ったりすることは厳禁です。
「他食器と一緒に」洗ったりしないで・・・漆器を洗う時や、収納する時は、ガラス製品や他の素材とは別々に扱うことが無難です。
「お酒をそのまま」は×塗りあがって間もない漆器は、お酒を呑んだ後そのままにしておくと色が変わることがあります。 その日のうちに洗えば問題ありませんが、ご注意下さい。
衝撃には注意強い衝撃を与えたり、ぶつけたり、落としたりすると、傷がつきます。
火には注意漆は比較的に熱に強い素材ですが、高熱にあたれば、変色したり、ひびが入ったり、はがれたりします。

■ 輪島塗漆器の取り扱い詳細
■ 輪島塗漆器の取り扱い詳細 (ヤフー店)
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漆は湿気があるほうが乾きます。

さわやかな秋が待ち遠しいこの頃です。

さわやかさを感じさせるのは温度と湿度のバランスですが、
な、なんと!・・・漆にとっては、乾燥しているときのほうが、乾きが悪いとのこと。

漆は湿気ている時期、つまり梅雨の頃のほうが、乾燥している冬場よりも早く乾くそうです。
そして、乾く早さによって、漆の色にも影響がでるそうです。

春でもストーブを付けて仕事をしている蒔絵師さんがおられたり、
職人さんの経験による勘?によって仕上げられているようです。

ところで、湿気ている方が「漆が乾く」というと理解しにくいのですが、
湿気ている方が「漆が固まりやすい」というと、なんとなくわかったような気になりませんか。(^_^;)

湿気ている方が漆が固まりやすいのは、漆の化学的な成分によるようです。

■ 漆の成分についての展覧会
漆の成分といえば、今年の春、ちょっと変わった漆の展覧会を見に行きました。
大阪大学総合学術博物館 待兼山修学館で開催されいてた「漆の再発見」(2010年2月3日~3月30日まで)です。

「漆の再発見」大阪大学総合学術博物館 2010年2月3日~3月30日まで

美しい漆器を展示した”漆器の美”の展覧会というものではなく、
漆、つまり漆の木の樹液を加工して得られる天然樹脂のウルシオールの化学的な構造や、その構造決定に至るまでの研究についての展示に重点がおかれていました。

■ 天然木と天然漆・・・そしてプラスチックとウレタン塗装

この「漆の再発見」展ですが、、有機化学なるものの展示説明は、恥ずかしながら、ちんぷんかんぷんでしたが、会場を入ってすぐのところにおもしろい展示がありました。

4種類の同じ形のお椀(蓋付)が並べてあって、「ご自由に触ってください」とあるのです。

1.器が天然木で、天然漆で仕上げ
2.器が天然木で、ウレタン塗装(か何か天然漆以外)で仕上げ
3.器がプラスチックで、天然漆で仕上げ
4.器がプラスチックで、ウレタン塗装(か何か天然漆以外)で仕上げ

これらを順に触って見てみたのですが、ほとんど違いがわかりませんでした。

通常、天然木よりもプラスチックの方が重いといわれていますが、
この展示品の場合、天然木の器の方が、プラスチックよりも重く感じられました。

一緒に見に行った友達も、「違いがわからないね、なんか、天然木の方が重い感じやねぇ・・・???」と

色つやなどは、会場が大分暗くされていたので、あまりはっきり違いがわかりませんでした。

見るからに安っぽい感じのプラスチックのお椀もあるでしょうが、
結構、天然漆の塗りに近いものができるんだなぁと、妙に関心してしまいました。

■ 帰りに、別のフロアーに展示してあった、待兼山のワニ(マチカネワニ)の巨大な復元骨格を見て帰りました。

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